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2025.09.21

デジタル遺品って何? 家族が困らないように備えよう

皆さんは「デジタル遺品」という言葉を聞いたことがありますか?

スマホやパソコンが誰にとっても身近なものになった現在、その中には大切な情報が保存されています。この言葉が注目され始めたのは、その大事な情報を家族が見つけられずにトラブルが増えたことがきっかけです。特にスマホが生活の中心になった近年、家族でもロックを解除できないケースが多く、ニュースなどでも取り上げられるようになりました。

デジタル遺品とは、スマホやパソコンの中にある、亡くなった方が生前に使っていたデジタル情報のことを指します。たとえば、スマホの中の連絡先、写真、メールやLINEのやりとり、ネット銀行の口座や電子マネー、ネットショッピングの履歴などです。

これらのデジタル情報は、きちんと整理されていないと、遺族が後から困ってしまうことがあります。たとえば、「スマホのロックが解除できなくて写真や連絡先が見られず、遺影作成や知人への連絡ができない」「ネット銀行の口座が存在することすら知らず、お金を引き出せない(相続できない)」「定額制のサービスがずっと引き落とされ続ける」「SNSのアカウントが放置され、乗っ取りや悪用のリスクがある」など、さまざまなトラブルが起こりえます。

特にスマホのロック解除は注意が必要です。パスコードを何度も間違えてしまうと、スマホが初期化され、写真や連絡先などの大切なデータがすべて消えてしまうことがあります。家族が善意で操作しても、かえって取り返しがつかないことになることもあるのです。

どうしても解除できない場合、専門業者に依頼することもできますが、費用は10万円以上かかることが多く、解除までに数週間を要するため葬儀等に間に合いません。しかも、必ず解除できるとは限りません。特にiPhoneはセキュリティが非常に厳しく、過去にはアメリカのFBI(連邦捜査局)でさえも解除できず、Apple社に協力を求める事態になったこともありました。それほど、スマホのロック解除というのは重要で難しい問題なのです。

では、こうしたトラブルを防ぐにはどうしたらよいでしょうか?大切なのは、今のうちから“準備”をしておくことです。まずは、スマホやパソコンのロック解除パスワードを紙にメモしておくことが大切です。さらに、よく使っているサービスの情報も忘れずに記録しておきましょう。たとえば、次のような情報を書いておくと安心です:

・スマホやパソコンの機種名とパスワード
・使っているメールアドレスとそのパスワード
・LINEやFacebookなどSNSのアカウント名とログイン情報
・ネット銀行、証券口座、電子マネーの種類とログイン情報
・定額制サービス(Amazon、Netflixなど)のアカウントと支払い方法
・大切な連絡先(家族・友人など)とその保存場所

このような情報は「デジタル遺品ノート」や「エンディングノート」にまとめておくと便利です。書いた内容は定期的に見直し、保管場所を家族に伝えておくことが大切です。ロック解除に必要な情報だけでも知っておけば、いざというとき家族が困らずに済みます。

最近では、こうした対策を「生前整理」として見直す方も増えています。デジタルが苦手な方も、難しく考えずに、まずはスマホのパスワードと連絡先だけでも書いておくところから始めてみてください。

このコラムをきっかけに、身の回りの「見えない大切な情報」に目を向けて、家族のため、自分のために、少しずつ整理を進めてみてはいかがでしょうか。